この業界で以前からずっと不思議というか、疑問に思っていることがあります。
「技術者」と呼ばれる人と「営業職」と呼ばれる人が、まったく「別物」として明確に区別されていることです。
まるで人種でも違うかのごとくに。
もちろん、仕事にはそれぞれの「役割」というものがあります。
人にはそれぞれ個性があり、自分の特性に合う仕事を選ぶ自由と権利があります。
分担するのは良いのです。必要スキルや仕事のスタイルも違いますので。
それにしても、です。
特にソフトウェア開発の業界で、「技術」と「営業」は、あまりに区別しすぎというか、相互理解が不足していないでしょうか。
「作る」と「売る」
ソフトウェアであれ、「製造」を生業にする以上、この2つは本来表裏一体です。
お互い無理解ではいけません。ましてや「いがみ合う」のは言語道断のはずです。
それなのに。
「営業は技術者の苦労も知らずに勝手に顧客の要求を飲んでくる」(by技術者)とか。
「大事な顧客の案件なのに、技術の連中の見積りがやたら高くて受注なんか無理」(by営業職)とか。
お互いがお互いのことを理解せずに対立するケース、結構多くないですか?
ではどうすればいいか。
「相互理解」するのに最も効果的な方法、それは「どちらもやる」ことだと私は考えています。
もちろん得手不得手がありますから、完全な「二刀流」は難しいかもしれません。
でも、「多少はやる」ことで少なくともお互いの仕事を「理解」することはできます。
営業職は技術的スキルを習得しましょう。
簡単なプログラミングならできるくらいになって、繁忙時には技術チームを手伝いましょう。
技術職は営業的活動を意識しましょう。
かかわっているプロジェクトや顧客の「真のニーズ」を聞き出し、営業職と一緒に費用対効果を算出して提案しましょう。
そうすることで「職業人としてのバランス」も醸成されるのではないでしょうか。
視野も広がります。
当社では実際にそうしています。
ほぼ全員技術者ですが、営業会議も展示会も全員参加。
割と楽しいですよ。