例のAIチャットサービス、ずいぶん大きな話題になっていますね。
私も試しにちょっと遊んでみましたが、本当によく出来ていると思います。
が、今回私の言いたいことはその技術とか、AIの未来とか、そういうことではありません。
ITエンジニアは「流行りもの」とどう付き合うべきか?
ということです。
かつて、「セカンドライフ」というメタバースが突然脚光を浴び、大手企業も含め多くの人々が続々と時間とお金を投じたものの、いつの間にか話題から消えたことがあります。
ソフトウェア開発の現場では、様々な開発ツールやフレームワークたちが何十年もの間、流行り廃りを繰り返しています。
「今、脚光を浴びているものは『流行りもの』に過ぎないから気をつけろ」
などと言うつもりは全くありません。
「流行りもの」がそのまま時代の趨勢となることはよくあります。
「日本語ボーカル演奏ソフト」に女の子の名前と絵を付けて大ヒットしたあの商品は、現代ポピュラー音楽のメロディーラインやアレンジに革命的な影響を与えました。
昔、「こんな、10年前に戻るようなUI操作を要求する『Webブラウザで動作する情報システム』など、絶対に廃れる!」と思っていたアーキテクチャは見事に世界標準になりました。
(思っていたのは私です…)
以来、私が「流行りもの」を見た時に考えることです。
・その「流行りもの」を単に使用するだけのビジネスを作ろうとする「後追い型」の企業の言うことはあまり信用しない
・「流行りもの」の技術的バックボーンに着目し、その歴史的背景や今後の方向性、および自分が住む世界との距離感、などを考慮して付き合い方を決める
余談ですが、「49ers」って知っていますか?
米国のアメフトチームですが、その名の由来は1849年にカリフォルニアでの金発見に伴って全米から殺到した採掘者たちのことです。
結局、ゴールドラッシュで成功したのは採掘者ではなく、
「採掘者たちに採掘用品を販売した会社」
だったそうです。
「流行りもの」を目にした時に私が思い出すエピソードです。