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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第19回】この国の過剰品質

2023-10-02

私は、海外には観光や研修で何度か行ったくらいで、仕事で行った経験はありません。

当社の顧客も100%国内の法人です。

 

ただ、いわゆる「外資系」の顧客もおり、たまに海外側のソフトウェアとのデータ連携などが必要になることがあります。

 

そんな時、わりとびっくりすることがあります。

 

「テキトー」なんですよ、海外の人たち。

 

データ分析のために必要な項目をできる限り生データに近い形で欲しいというと、「そんなデータ出力できない。そもそもそんな項目(私の眼にはとても重要に見える)を保持していない」

とか、

 

「テストデータ作ったので確認してみて」と言われてファイル開くと1行しか入ってなくてデータのバリエーションが全然確認できない、とか。

 

そんなことがあった翌日に「インボイス対応のための消費税丸め誤差修正」などという、この上なく緻密でバカバカしい作業をしていると、

 

「ああ。こっち(日本)の方が変なのか…」

 

と、急にアメリカ西海岸あたりに引っ越したくなります。

 

「完璧」を求めすぎるのですよね。この国は。

 

几帳面で真面目で、それは決して悪いことではないのですが、様々なものに「過剰品質」を求め、結果それが国際競争力を低下させる原因になっているように思います。

 

「今は使わないが、数年後、ひょっとしたら年に2回くらい必要になる『かもしれない』機能」を真面目に設計、開発、テストするの、やめても良くないですか?

 

一般企業のちょっとした部門システムに、「システムエラー出すと人が死ぬ」ような例えば飛行機の自動制御プログラムとか、医療機器の制御プログラムとかと同じ「精度」や「堅牢性」は必要でしょうか?

 

「情報システムなんざ掘っ立て小屋で良いんだ。とっとと動かしてビジネススピード上げるんだよ!」

 

昔、そう豪語した顧客がいました。

 

開発プロジェクトは大変でしたが、結果的に投資対効果に優れた情報システムの構築に成功しました。

今でも時々思い出します。