以前にも書きましたが、私がこの業界に入ったのは零細SES企業でした。
最終的にはSESという働き方自体に疑問を感じて独立するのですが、今思えばその会社にも良かった点があります。
SESとはいえ、
「自社の社員でチーム編成して現場に送り込む」
というスタイルがメインだったことです。
サブリーダークラス一人が上司となり、その配下に若手エンジニアが数人。
チーム単位で機能を丸ごと受け取って開発をしていました。
「自社の社員によるエンジニア教育ができる」スタイルだったのですね。
サブリーダーは若手をしっかり指導して成長を促します。そしてもちろん、それに伴う「評価」もしていました。
それに対して、「社員を一人ずつ現場に送り込む」スタイルだと、継続的な教育が出来ません。
昔はそれでも現場に「一匹狼の野武士」みたいな物凄いスキルレベルの人がいたりして、たとえ別会社であっても子弟関係になれれば、それなりに教えを乞うこともできました。
今はどうなのでしょう。
「新入社員を採用したら3か月間プログラム研修をしてからバラバラに現場配属」
「現場から帰ってきたら速やかに別の現場にバラバラに配属」
「契約形態は2次請け、3次請けの多重下請構造」
これ、成長できなくないですか?
発注側は「出来ない奴なら一回の短期契約で終わり」にしてしまいます。
「最初は出来ないけど、教育して成長させよう」とは思わないですよね普通。
安くない人月単価払ってますし。
特に最近は必要IT関連スキルが多岐にわたっていて、実務に必要な最低限の教育で終了。基本的な「仕組み」「考え方」「進め方」などを教える機会が少なくなっているのか、「え、そんなことも知らない(やったことない)の?」という若手もちらほらと。
企業として人を雇ったのであれば、継続的な社員教育を行うべきです。
小規模SES企業にとって、それはそう簡単なことではないかも知れません。
しかし、ぜひやってほしいと願っています。
この国のITエンジニアのレベルを底上げするためにも。