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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第36回】小規模SES企業に告ぐ

2024-02-05

以前にも書きましたが、私がこの業界に入ったのは零細SES企業でした。

 

最終的にはSESという働き方自体に疑問を感じて独立するのですが、今思えばその会社にも良かった点があります。

 

SESとはいえ、

 

「自社の社員でチーム編成して現場に送り込む」

 

というスタイルがメインだったことです。

 

サブリーダークラス一人が上司となり、その配下に若手エンジニアが数人。

チーム単位で機能を丸ごと受け取って開発をしていました。

 

「自社の社員によるエンジニア教育ができる」スタイルだったのですね。

 

サブリーダーは若手をしっかり指導して成長を促します。そしてもちろん、それに伴う「評価」もしていました。

 

それに対して、「社員を一人ずつ現場に送り込む」スタイルだと、継続的な教育が出来ません。

 

昔はそれでも現場に「一匹狼の野武士」みたいな物凄いスキルレベルの人がいたりして、たとえ別会社であっても子弟関係になれれば、それなりに教えを乞うこともできました。

 

今はどうなのでしょう。

 

「新入社員を採用したら3か月間プログラム研修をしてからバラバラに現場配属」

「現場から帰ってきたら速やかに別の現場にバラバラに配属」

「契約形態は2次請け、3次請けの多重下請構造」

 

これ、成長できなくないですか?

 

発注側は「出来ない奴なら一回の短期契約で終わり」にしてしまいます。

「最初は出来ないけど、教育して成長させよう」とは思わないですよね普通。

安くない人月単価払ってますし。

 

特に最近は必要IT関連スキルが多岐にわたっていて、実務に必要な最低限の教育で終了。基本的な「仕組み」「考え方」「進め方」などを教える機会が少なくなっているのか、「え、そんなことも知らない(やったことない)の?」という若手もちらほらと。

 

企業として人を雇ったのであれば、継続的な社員教育を行うべきです。

小規模SES企業にとって、それはそう簡単なことではないかも知れません。

しかし、ぜひやってほしいと願っています。

この国のITエンジニアのレベルを底上げするためにも。