さて、転職サイトやエージェントにエントリした若きITエンジニアの皆さん。
きっと今頃、あなたには様々なソフトウェア企業からオファーが殺到していることでしょう。
なにしろ今は空前の売り手市場ですから。
ところで皆さんは、あなたにオファーが来る一番大きな理由、知っていますか?
あなたが「若い」からです。
「若さ」には「伸びしろ」が伴います。また、体力的にも充実しており、少々の「しんどさ」に耐えられます。
「若さ」はそれだけで値が付くのです。
だから、20代半ばで経験数年くらいからの約10年間が、ITエンジニアとしての「価値」が市場で高値を付ける期間と言っていいでしょう。
その間、何回「転職市場」に出ましょうか。
あ、人を雇用する立場として言わせて頂けると、「1年程度の在籍で転職を何回も繰り返している人」は、それだけで敬遠されます。
だから、せいぜい
「10年間で2~3回」
くらいがいいところではないでしょうか。
若さにともなう伸びしろや体力は年とともに目減りします。
旬を過ぎたITエンジニアに、高い値段は付きません。
前々回に書いた「落とし穴」とは、まさにそれなのです。
いくら転職サイトやエージェントにエントリしても、オファーがパタリと来なくなる時期が、いずれ必ず来てしまいます。悲しいことですけれど。
それなら、どうするか。
日々の業務をこなすだけではなく、自身のスキルを高める努力を惜しまないようにしましょう。
それは何も「ソフトウェア開発」だけではありません。
「技術力」だけでは、いずれ若い世代に勝てなくなります。
だから、バランスのとれた一流の「職業人」になることを目指しましょう。
そして、人との付き合いを大切にし、広い人脈の形成に努めましょう。
年齢的なピークが過ぎる頃、あなたが最後の転職を検討するとしたら、その時あなたにオファーを出すのは、エージェント経由ではなく、あなたと共に働くことを心から望む「ビジネスパートナー」本人であるべきだと思うのです。