私の友人に、イタリアンレストランのシェフがいます。
たまに食べに行くのですが、とてもおいしい店です。
ある日、旬のアサリを使ったボンゴレビアンコが我が人生最高くらいに美味しかったので、「隠し味なにか入れるの?」と聞いてみたことがあります。(友人しかできない質問ですね)
「入れない。アサリと塩とニンニクだけ」という答えでした。
「重要なのは、パスタ茹でる際に入れる塩の濃度」とのこと。
「それ、毎回水と塩の量をちゃんと量るの?」と聞くと、
「もちろん。プロはそういう基本的なことこそ、ちゃんと守るものだ」と、納得の模範回答が返ってきました。
私も料理がわりと好きで、スパゲッティソースや餃子などをたまに作るのですが、ごくまれに「プロレベル」の味に仕上がることがあります。
でもそれ、二度と再現できないのですよね。
素人の料理は調味料類の分量が適当なことが多く、たまに大当たりもしますが、仕上がりには毎回ムラがあります。
それに対して本当の「プロの料理人」は「毎回同じ味を提供する」という使命があるため、基本に忠実にレシピ通りに計量しながら料理します。
「プロの仕事」を思い知ったボンゴレビアンコでした。
さて、翻ってITエンジニア。
例えば、「AND」と「OR」を複雑に組み合わせた論理式を書くとき。
トリッキーに書いてはいけません。多少冗長でも構わないので、誰が見てもすぐわかるようにシンプルに書きましょう。
例えば、単純な機能のモジュールを作成するとき。
一件分かり切った処理のようでも、コメントをしっかり入れましょう。
例えば、割と複雑なアルゴリズムを考えるとき。
面倒くさがらずにフローチャート書きましょう。そしてそれを設計書に残しましょう。
「プロだからこそ、基本に忠実に」
これ、意外と「ベテラン」の人は守っているように思います。
だからこそ、ここまで仕事続けて来られた、ということでしょうか。
ある程度経験積んで「一人前になりたて」くらいが忘れがちなのかも知れません。
私自身、その頃を振り返ると反省しきり、です。