仕事上の知り合いに、ファッション関連ITの独立系コンサルタントの人がいます。
本も何冊か書いている人で、とても示唆に富んだ興味深い話をしてくれる優秀な人です。
数年前のある日、その人とアパレル企業に情報システム関係の提案に行ったことがあります。
初めて行った会社だったのですが、その人が会話の中でこう切り出しました。
「御社、3年くらい前に店舗のPOSレジ入れ替えましたよね?」
なぜそれに気づいたのかと聞かれると、
「仕事柄、定点観測として様々なブランドの店に行くのですが、ある日、御社のお店のPOSレジの音が変わったので…」
さらに
「ところで、その日を境に商品タグのバーコードが一つ増えたのですが、あれは原価データか何かですか?」
え?…
びっくりしました。
だって、まだ取引していない会社のPOSレジ入れ替え時期を把握しているのですよ。
仕事とは言え、日頃の行動の中でそこまで情報収取するものなのかと。
「この人、本当のプロフェッショナルコンサルタントだ!」
心底そう思い、尊敬の念を強くしたものです。
さて。
IT業界では「ITコンサルタント」が多く存在し、「コンサルティングファーム」も多数あります。
その中には入社数年くらいの若手が「コンサルタント」を名乗って顧客と高額な契約をすることもあるようです。
いや、別に「経験浅い若手にコンサルタントを名乗らせるな」などと極論言うつもりはありません。
(正直、そう言いたくなるような事案もたまに見受けられますが…)
「本やネットに書いてあることを学ぶだけでは『本物のコンサルタント』にはなれません」
ということを言いたいのです。
何十年にも及ぶ業界での経験や知識の他に、独自の情報収集で得た知見があってこそ、初めて報酬に見合った「コンサルティング」ができるのだと思います。
「ITコンサルタント」を目指す若手の皆さん、企業内研修やOJTで学ぶだけではなく、ぜひ自ら能動的に動いて知見を多く身に付けましょう。