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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第57回】ビジネスはコンテストにあらず

2024-07-04

近年、「起業家を増やそう」ということからか、都道府県や官公庁などが主催する「スタートアップビジネスプランのコンテスト」的なものが多く見られます。

 

この種のコンテスト、実は私が起業した20年以上前から盛んに行われていました。

 

はい、応募しましたよ何回か。

 

結果ですか?

 

惨敗でした。

 

今思えば、それでよかったというか、当然そうなるものだった、と言うしかありません。

 

コンテストなので当然、審査員が何かの審査基準で審査します。

 

審査員、どういう人々だったと思います?

主催役所の課長さんとか、依頼されて来た大学教授とかです。

 

審査基準、なんだと思いますか?

「新規性」「収益性」「市場性」などのきわめて一般的かつ抽象的ないくつかの項目です。

 

まずは応募のための書類を作成します。書類審査に通ると今度は面接です。

 

失礼ながらビジネスなどやったことのない方々の前で、製品やサービスの内容説明をします。

新規ビジネスなので、先端技術やニッチ部分の解説をする必要があります。還暦過ぎたくらいの大学教授に対して。

質疑応答かみ合わず四苦八苦、あるあるでした。

 

で、挙句の果てに「新規性が認められない」などと言った理由で落選。

 

もう、ね。

 

行政機関は「ビジネス」にあまり首突っ込まないで欲しいと、つくづく思うのです。

特に「新規ビジネスプラン」などという、当たるかどうかなんて誰にもわからないようなものに。

 

自信ある新ビジネスで市場に挑戦しようとしている若き優秀な起業家の卵の皆さん。

 

コンテストに優勝したくて新ビジネス始めるわけではないですよね。

 

応募書類を書いたり、大学教授の面接のために費やす時間と手間は、目の前にいる「見込み客」に対して費やしましょう。

 

「賞金」ではなく「契約」を取るために。

 

あなたが本当に狙っているのは、「優勝賞金数百万円」などという、そんなちっぽけなものではないはずです。