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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第72回】熟練ユーザ

2024-10-21

どうやら、人は変化を嫌う生き物のようです。

 

特に、「日々繰り返し行う作業」の内容や順番が、自分の意思ではなく、外部からの要因によって変更させられることが嫌いなようです。

 

ところで、業務系情報システムの導入には、日々の業務に変化を伴うことがほとんどです。

 

それはそうですよね。

 

「今までと全く同じ」ならば、わざわざ巨額のコストかけて情報システム導入する意味などないのですから。

「成長」や「効率化」のために、これまで行ってきた業務内容や手順を見直すことにこそ、新システム導入の意義がある、とさえ言えます。(教科書通り)

 

そのため、新システム稼働当初は必然的にこの問題が発生します。

 

「新システムによる新たな作業内容や手順」

「今までのやり方を変えたくない現場の人々」の衝突です。

 

私自身、これまで何度も、というか、必ずと言って良いほど、この問題に悩まされてきました。

 

どう解決してきたか、ですか?

 

いや、特にこれと言った解決策やコツはないです。

 

強いて言うならば、以前のコラムに書いた通り、「稼働開始後の調整」を重要視してきたことでしょうか?

 

新システムが稼働開始すると、現場からは様々な改善要望が上がってきます。

それらをちゃんと租借し、安全かつ効果的な「ちょっとした改善」を繰り返します。

 

基本的に人は大きな変化を嫌いますが、「少しずつ良くなる変化」なら、受け入れることができるようです。というか、好きなようです。

 

1年ほど経過してみると…

 

最初はあれほど嫌がっていた新システム、現場の方々には相当な熟練ヘビーユーザになっていただいております。

 

それはもう、開発者よりも新システムの仕様を熟知していたり、運用対処の達人になって頂いたり。

 

そうなればもうシメタものです。

 

現場の皆さんにとって、新システムはついに「日々繰り返し行う作業」そのものになることができたのですから。

 

その要因の多くは実は「慣れ」かもしれませんが、「少しずつ改善を重ね続ける」ことによって得られた「信頼」がその背景にあるのは確かでしょう。