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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第75回】U社長の思い出(1)

2024-11-18

私がその人に初めて会ったのは、まだ小さなソフトウェア開発会社の社員だった頃です。

 

ある会社の紹介で、従業員数10人程度の小さな食品卸業者の基幹システム(受注-発注-出荷指示-請求-入金の一連を管理するシステム)の構築を、所属していた会社が請け負うことになり、SES型の仕事に食傷気味だった私はその担当というか、完全に一人で構築することを会社に宣言、開発着手したのです。

(「一人で」って、今思えば無茶なことしたものです)

 

実はその頃、私自身はすでに独立することを決めていました。

 

そんなこともあって、私はこの仕事を所属会社に対する最後の「置き土産」にするつもりでした。かなり気合入れて取り組み始めたものです。

 

その顧客企業の社長がUさんでした。

 

始めて会った時にはすでに高齢の「おじいちゃん」でしたが、小さな会社のオーナー社長というのは元気なものでして、頭も体もまだまだしっかりしていました。

 

問題なのはその性格というか、独特の言動でして…

 

もともと大手電機メーカーの技師だったそうで、当時いわゆる「トランジスタガール」達を仕切って工場ラインを管理していたとこのことでした。

それが全く別の業界の会社社長になったのは、なにやら奇妙な縁から「売りに出ていた会社」を引き取った経緯があったらしいです。

 

ということで、昔取った杵柄の「計数管理」を、全く別業界から主張する「おじいちゃん社長」の話をヒアリング、という謎のプロセスからプロジェクトが始まりました。

 

しかしその後、この基幹システムは、当時バリバリのITエンジニア・プログラマだった私にとって、ひとつの「集大成」となり、「独立」「起業」の時期と重なった記念碑的な情報システム(というか、作品)になったのです。

 

で、このUさん、今でも私にとって「ユーザー企業とは」のモデルケースなのです。

 

良くも悪くも。

 

本当に

 

良くも悪くも。

 

どういうことかって?

詳しくは次回以降のコラムにて。