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弱小IT社長のひとりごと
~この国の若きITエンジニア達へ~

【第78回】U社長の思い出(4)

2024-12-09

U社長の会社は朝早くから始まります。

 

昨日の出荷指示データをもとに量販店に商品が届く時間帯(開店前)に連絡が取れるようするためでした。

 

また、U社長は失礼ながら中途半端に「機械に強い」と思っているタイプで、さらに困ったことに割と好奇心旺盛です。

 

なぜか業務用プリンタを突然違う場所に移動して自分で接続したり(そこサブネット別…)、自分でマスタデータを勝手に変更して集計帳票を見比べたりしたがります。

 

だから…

 

鳴るんですよ、私の携帯電話が。

週末も朝早くも関係なく。

 

「接続場所変えたらプリンタから印刷できなくなった。どうすれば良い?」

 

えっと、私はソフトウェア開発業者で、ネットワーク構築には一切かかわっていませんが…

 

「マスタデータをちょっと変えたら集計帳票が出なくなった。直しに来てくれ」

 

今、土曜日の朝7時ですが…

 

最初の頃はもう「携帯電話恐怖症」になりかけました。

 

メンタル弱いタイプであれば確実にやられているでしょうが、幸か不幸か私のメンタルは割と頑丈で、そのうち徐々に慣れっこになっていきました。

 

時が経つにつれて基幹システムの品質も安定し、電話の内容も「トラブルがらみ」から「相談」に移ってきます。

 

世の中に「インターネット通販」が徐々に増えてきた時代です。

 

「ホームページ作ったら売上増えるか?」

(いや、そんなことないです…)

 

「ネットを活用して新規客増やすにはどうすればいい?」

(そんなの私も知りたいです…)

 

回数は徐々に減っては来ましたが、相変わらずU社長は電話魔でした。

 

「この人、私と話がしたいだけなんだ…」

「そういえばあの会社、社内に社長と対等に話ができる人がいないからなあ」

 

ある時期から、というか、かなり初期の段階から、それはわかっていました。

 

今の時代にこのような「プライベート時間帯に何度も業務電話」は避けるべきでしょう。

 

しかし、「顧客の話を聞く」「話し相手になる」ということの重要性はあまり変わらないのだとは思います。